スノー・ストーリー
滑り手の立場で気候変動にアクションする Protect Our Winters Japan が放つ、持続可能なスキー場を目指すネットワーク「サステナブル・リゾート・アライアンス」とは
3D地形コースや雪造ボウルを通してスノーボーディングの可能性を広げた、丸山隼人。プロスノーボーダーとして長年活動する中で、ライフスタイルの変化とともに導き出された新たなフェーズとは。
クラブ・フィールドと呼ばれるニュージーランドのスキー場では、自分たちが滑る為のスキー場をクラブメンバー自らが維持管理する。ここを第二の故郷と呼ぶ古瀬和哉がその魅力を再確認する。
人と競い合うことだけがコンペティションの本質ではないと考える大池拓磨。地元の白馬乗鞍温泉スキー場で仲間たちとともにフリーライドの大会を主催した。
カリフォルニア州のマウント・ホイットニーからワシントン州のマウント・ベイカーまで、人力でやり遂げることにこだわった2021年春の旅の記録を紹介します
「この山がやっぱり好きだ」。新雪の降った朝は少しソワソワしながらいつもの雪山に向かう。木崎湖の湖畔に始まり青木湖を見わたす道路を通ってトンネルを抜ける。佐野坂峠に広がる杉の森を過ぎるとそこに真っ平らに開けた雪原が広がる。…
アレックス・ヨーダーがスノーボードのキャリアで10年を迎える頃、彼は「恐れ」を感じるようになった。ワイオミング州ジャクソンの険しい山で育ったアレックスは彼が崇拝しているスノーボーダーの足跡を文字通り頻繁に辿り、より大きな…
言葉も出ない。尾根で若いオオツノヒツジの寝床の合間を登高しながら、スキーヤーのリア・エヴァンスと写真家のキャリー・メディグと私は見わたすかぎりの炭鉱に絶句する。たとえ言葉があったとしても、それは決して「クリーン」ではない…
できる限り物を持たず、物に頼らず生きていきたい。とは言え人間は道具を操る生き物で、生活の中にはありとあらゆる道具が存在し、良い道具が生活を豊かにし、道具そのものが豊かな生活の証ともなる。一言に豊かさと言っても人それぞれの…
「ガイドの仕事ってぜんぜん割に合いませんね」。今年の夏、急峻な岩肌や岩稜を約13時間登り下り続け、やっと辿り着いた深山のオアシスで、疲労困憊の色を隠せずも充足感を漂わせていたクライアントから真剣な表情で言われた言葉だ。こ…
2018年2月中旬の曇ったある日、ザハン・ビリモリアは彼が知る唯一の方法で暗闇から抜け出した。それはグランド・ティトン国立公園の北部の遠隔の山でのスキーだった。その日「Z」の愛称で知られるエクサム・マウンテン・ガイドのザ…
マリー=フランス・ロイは、常に環境の代弁者だったわけではない。 世界トップクラスのスノーボーダーになった2000年代、世界を飛び歩く自分のライフスタイルの偽善に後ろめたさがあった。自分を山へ駆り立てながらも、世間の目にと…
はじめてスノーボードと出会ったのは16歳の時。自由になれる感覚や開放感に取りつかれ、それ以来ずっと頭の中は滑ることばかり。私にとって雪山は、自分に還ることのできる居場所のようなもの。雪を巡り、これまで数えきれないほど旅を…
滑り手の立場で気候変動にアクションする環境団体「Protect Our Winters Japan(POW JAPAN)」が、発足以来わずか2年で予想以上の成果を挙げつつあります。「私たちの雪のフィールドを守るために」と…
これらの写真はトリンギット族、ハイダ族、チムシアン族の先祖伝来の土地であるアラスカ州トンガス国有林で撮影したものです。地域社会周辺の土地や河川・海を守り続けるアラスカ州南東部の先住民に敬意を表します。 「6月に雪!」山頂…
スキンのトレースをたどって女性に追い付くと、彼女はクスクス笑いながらスペイン語で何か話しかけてきたが、私の限られたボキャブラリーと上がった息のせいでほとんど理解できなかった。長髪に濃い口髭の昨夜のバーテンダーが数歩先から…
真夜中近く、コンビンクト・キャニオンの登山口で駐車場に車を入れる。2019年5月29日。木々は静かに揺れ、暗い空は薄い雲で覆われ、星ひとつ見えない。カリフォルニアのトラッキーから3時間半をかけてワープしてきた後、両足をス…
世界で最も進化したライダーだけが、取るに足らない平凡な地形を魅力的に見せることができるのはなぜだろう。それは熟達者のマッスルメモリーと神聖な直感が必要とされる至難の技だ。急斜面に身を投じて、最善を尽くすほうがはるかに容易である。 玉井 太朗は、スノーサーフィンの「師」と呼ばれている。そのライディング・スタイルは神業で、おそらく他の誰も習得できない。けれど、彼の友人のひとり、北海道を拠点とする日本人スノーボーダー、「オーム」こと岡田 修は別だ。彼はスノーサーフィンに対する玉井 太朗のスピリチュアルなアプローチを自分流に翻訳し、それを現実世界のものにした。毎冬、オームはライダーと山の関係を知ってもらおうと、東京をはじめとする主要都市圏から訪れる何百人もの日本人スノーボーダーに教えている。こうしたガイドも彼が山で過ごすプライベートな時間の一部だ。 平面を征する オームの仕事は、彼の「絶対的支持層」、つまり毎年訪れる常連客に支えられている。これらの人々には、ケガをせず、最高の時間を過ごしてもらわなければならない。そんな仕事の中で、彼は玉井氏の哲学である安全に深い遊びをすることを参考にしている。常連客は毎シーズンここに来てくれる。だから、オームは自身の安全にも配慮してボードに乗らなければならないし、常にモチベーションと体力を維持していなければならない。山での彼の役割は、人々の安全を守りながら遊び方を教えることだ。そのために客を最も穏やかな遊び場、つまり山の平坦地に連れて行く。緩斜面でターンをマスターできなければ、急斜面は危険でデタラメになる。ごくわずかな傾斜を美しく滑るために、オームはゲストにたずねる。「どれくらいかがめる?」平面を征するには、とにかく地面に対し身を低くし、大きく、深く、軽快にターンすることだ。凍結した道路でトラックを運転するようなもので、急いで小回りに曲がると悲惨なことになる。オームは、視点の定め方を教え、大きくターンして見せる。 まっすぐ滑って、加速して、減速してを繰り返してバリバリ滑るのではなく、穏やかなターンをきれいにつないで、ニュートラルでなるべく一定の速度を保って滑る。ターンしている足元の下で刻々と変わり続ける雪面の状況に機敏に対応しながら、ラインの調節と加重のあんばいでターンが完成する。そしてそれら質の高いターンをつなげてボトムまで滑る。 こうして彼は、雄大な山の急斜面しか眼中になかった過激好きな人を、大きくて平らで広々とした自分の技量に合った地形を滑る楽しさを伝える。力を抜いて、山の中で最も身近な地形を楽しむことをゲストに教えるのだ。「急な深い斜面を滑り抜けるのは怖いけど簡単だよ。でも、それでは山との関係が苦行みたいじゃないか。」 ラインに委ねる フラットキャンバー(底面が平らな形状)のスノーボードは、3Dライディング向けに作られている。いわば山の波乗りで、アップダウンしながら雪を横切るのだ。海のサーフィンの場合、波にはエネルギーがあり、それは止めようがない。玉井 太朗のGentemstickのようなスノーボードは、1本の流れるラインをターンでつなぎながら、静止した山で波のエネルギーをシミュレーションすることを意図している。こ
多かれ少なかれ、誰もみな自分に価値があるという証拠を求めている。この原始的な帰属意識は、広い場所から意味を削り出そうとする本能がもたらす欲求だ。ただそうした証拠を掘り出すために必要な労力は平等ではない。白人が大勢を占める…
パーマカルチャー農家に転身した フランス人スキーパトロール隊員 「今やすっかり『ラメイジェ北壁の麓、ロマンシェ川河畔で野菜を育てている男』になったよ。」これがジャン・シャルル・ボンシニョーレの「ペペハ」である。ペペハとは…