2024 / 21 分
碇山勇生は、豊かな珊瑚礁と細かく柔らかな砂浜を持つ奄美大島で育った。プロサーファーとして島を離れて旅する日々を送っていた彼が、故郷の環境問題に深くコミットするようになったきっかけは、初めて波に乗った地元の海岸に開発計画が持ち上がったことだった。パタゴニア・フィルムズによる短編ドキュメンタリー『尊々加那志〜とうとがなし』は、自身と同じように海と島を愛する先達に会いに行き、奄美の自然を守る方法を模索する姿を映している。父となった勇生は、一般社団法人NEDIを立ち上げ、次世代のために何ができるのかを考える。NEDIとは、奄美南部の漁師の言葉で、陸と海が交差する領域のこと。島と海は繋がっていて、その循環を開発から守るためには「何よりも大切なのは、島の人々が手を繋ぐこと」と勇生は言った。