Worn Wear アウトテイク:「新世界のフリース」
Worn Wearは私たちが所有する物や私たちが生きる人生における質の追求です。このアウトテイクでは、ニック・ヤードリーが故郷であるイギリスのヨークシャーをあとにし、期待に目を輝かせてアメリカのニューイングランド地方に到着し、最初の給料を紫のパタゴニアのフリースに使ったことについて話します。
監督:キース、ローレン、クリス、ダン・マロイ
音楽:テリー・コッフィールド

新世界のフリース
ニック・ヤードリー、イギリス、ヨークシャー
親愛なるパタゴニアへ
1986年12月、僕は暗くて水が滴るほどに湿った故郷イギリスのヨークシャーをあとにし、期待に目を輝かせてアメリカのニューイングランド地方に到着した。手にしていたのはバックパック2つとポケットの中の500ドルだけ。最高に幸せだった。
僕はクライミング・スクールで働いた。オフィスはニューハンプシャー州ノース・コンウェイ随一のクライミング・ショップで、パタゴニアの正規ディーラーでもあるIMEの後ろにあった。毎日ショップに足を踏み入れると、パタゴニアのスナップT・フリース・ジャケットに目をやった。まるで僕がやってきた素晴らしい新世界を象徴しているかのように見えたのだ。そしてアメリカに来て初めての給料でそのジャケットを購入した。マットレスの上に寝ていた僕は一文無しに近かったのに。それから7年、そのジャケットはずっと僕に付き合ってくれた。この写真は、砂漠でビバークしながら大陸を横断したときのもの。ロードトリップはすべてのイギリス人クライマーの夢なのだ。ちなみに450ドルで購入したこの車は、アメリカにきて2番目に買ったものだ。
― ニック
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