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カタログから資源の消費について考える

パタゴニア  /  2011年2月25日  /  読み終えるまで5分  /  アクティビズム

『Spring 2011』カタログ。本カタログをご希望の方は、 パタゴニアウェブサイトよりご請求ください

カタログから資源の消費について考える

『Spring 2011』カタログ。本カタログをご希望の方は、 パタゴニアウェブサイトよりご請求ください

現在パタゴニアでは年間11種類の日本語版カタログを国内で配布しています。これらは環境およびコスト面からすべて英語版とともにアメリカで印刷/製本され、日本に送られてきます。私たちのようなビジネスにとって、カタログは健全な財務体質を保つうえで不可欠なものです。けれども、残念なことに通常カタログは紙に印刷されるので、森林やエネルギー、水といった環境に多くの影響をおよぼします。そうした環境への配慮から、私たちは近年オンラインカタログの導入をはじめました。けれどもオンラインカタログを閲覧する場合も、コンピューターなどの電子機器産業は大量のエネルギーやを使用します。

そこで私たちは『ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する』ための第一歩として数年前、品質に妥協することなく可能な限り環境への影響を抑えた用紙を熱心に探しました。アメリカ本社でカタログ制作管理を担当するアンジェラ・ワイドマンは紙の供給元と親交を深めてお互いの見解を語り合ってから、供給元が提供していた紙のPCW(post-consumer waste:市中回収古紙)の含有率を増やすよう強く働きかけました。最初は「品質に差しさわりが出る。私たちの機械はそんなに多量のPCW原料を処理できない」としぶっていましたが、しばらくすると彼らも乗り気になってくれました。品質が犠牲になるという理由で私たちのカタログはPCW100%の用紙に印刷せず、やむを得ずバージン原料を混入しています。けれどもバージン原料を使用する場合は危機に瀕していない森林から採取したFSC(森林管理協議会)認証を受けた原料を使用すべきだと考え、採用しています。パタゴニアはカタログ産業界のなかで環境面において最も進歩的な紙の使用および調達に関する方針を実践しており、またパタゴニアのカタログ用紙の調達先であるニューページ社も最高レベルの紙を提供してくれています。

またアメリカ本社ではパタゴニアがカタログの制作をはじめた当初から封筒を使用せず、カタログ本体に宛名ラベルを貼るかたちで、お客様へカタログを発送しています。そしてついに日本でも、3月に発行される『Spring 2011』カタログより、封筒を使用せずに宛名ラベルと、カタログが配送中に開かないように直径2センチほどの丸シール(封緘シール)で2か所をとめるかたちでの発送を採用することにしました。これにより年間に使用していた封筒、約6.8トン相当の紙の消費を削減できるようになります。

このプロジェクトをリードしてきたダイレクトセールス部門の望月八重子はこう話します。

「宛名ラベルについてはとくに問題はありませんでした。一方、封緘シールで私たちが実現したかったことは、お客様の手元に届いた段階でカタログがしっかりと封緘され、かつ簡単に開封ができる方法を探すことでした。そして、シール自体を簡単に剥がすことのできる素材も採用したいと考えていました。最初、開封しやすいようにと、シール中央にミシン目を入れてテストしましたが、テストで届いたカタログを見るとミシン目が切れていて、すでにカタログが開いた状態でした。失敗です。次にミシン目をなくし、きれいに剥がすことができる再剥離タイプのシールでテストしましたが、これは粘着力が弱かったようで、届いた時点ではすでにシールが剥がれてしまっていました。これらの結果から、ミシン目のない強粘着タイプのシールがいま私たちにできるベストな選択であると考え、発送テストを行なったところ成功。この仕様のシールで『Spring 2011』カタログを発送することにしました。そしてこの移行により、年間で約6.8トンもの紙の消費を削減できることがわかり、紙資源削減という点では一定の効果が得られると判断しています。ただ強粘着シールであるために、カタログを開封したあとにカタログ本体にシールが残ってしまうことは残念でなりません。今後はカタログが開くことのない程度の粘着力をもちながらも再剥離をすることのできるシールの採用に向けて、検討を重ねていこうと思います」

パタゴニアのビジネスは自然界にさまざまな影響を与えています。衣料の製造は化学薬品や石油など、さまざまな天然資源を使うため、環境への負担は少なくありません。そこで私たちは環境への影響を最小限に抑えるために長年にわたりさまざまな取り組みをつづけてきました。1992年には素材にリサイクル・ポリエステルを採用したウェアを発表し、1996年にはすべてのコットン製品をオーガニックコットンに切り替えました。私たちにとって環境破壊はたんなる抽象概念にとどまりません。私たちを元気にしてくれる場所が次々と破壊されるのをみずから目撃してきた私たちは環境破壊をくい止めるべく、実行可能な限り環境への影響に配慮した製造方法を追求し、さらにビジネスにおける紙の使用が引き起こす悪影響も抑えようと努力しています。長年にわたって環境への深い懸念を抱きつづけている私たちは、紙の使用および調達の基準もカタログ業界随一です。とはいうものの、まだまだ改良の余地があり、改善を目指して取り組んでいます。

カタログから資源の消費について考える

宛名ラベルと丸シールの両方を同時に付けていくマルチラベラー。写真:パタゴニア日本支社

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『Holiday 2010』カタログでテスト。写真:パタゴニア日本支社

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宛名ラベルが貼られ、丸シールで閉じられた状態のカタログ。この状態で発送される。宛名ラベルは簡単にはがすことができるが、丸シールは強粘着タイプのため、カタログ本体にシールが残ってしまうことがある。今後の改善に向けて、検討中。写真:パタゴニア日本支社

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