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チェーンソー後の静けさ

クリス・タイラー & デービッド・リンデンマイヤー  /  2023年6月6日  /  アクティビズム, トレイルランニング

オーストラリア、ビクトリア州が原生林伐採から撤退したことは歓迎すべきことであり、それには長い年月を要した。

ビクトリア州を悩ませてきた原生林の伐採事業が、予定よりも6年早く、2023年の年末までに終了されることとなった。この州を象徴するセイヨウトネリコの森や絶滅の危機にある野生生物がついにチェーンソーから守られる。それでも木材供給の不足分を補うプランテーションは余りあるほど十分にある。ダニエル・アンドリュー州首相によるその発表は、森林、経済、絶滅危惧種にとって、素晴らしいニュースだ。ビクトリア州政府のこの決断を称賛したい。

しかしながら、原生林伐採の中止はまだ先のことだ。この数十年間に伐採が生物多様性にどれほど深刻な影響を与えたのかは十分に把握している。過去数十年に及ぶビクトリア州の原生林の広域的伐採は、それまで一般的だったフクロムササビをはじめとする多くの動物を絶滅の危機に追い込んだ。今でさえ、州の木材伐出計画の下で提案されている最後に残された伐採区域は、生物多様性にとって最も保護価値の高い区域とピタリと重なる。

私たちの調査は、ウッドチップや紙パルプのような低価値製品を生産するためにもたらされた損害をリスト化したものだ。この事業に経済的な意味があったことはなく、州有木材会社であるVic Forestsは長年、赤字経営が続いている。この州には、ユーカリやマツのプランテーションが豊富にあり、この産業はそちらに切り替えることができる。

原生林伐採はどのような被害をもたらしたか。

伐採が予定されている区域の大部分には、50種以上の絶滅危惧種や希少種が生息している。森林伐採が進むにつれて、絶滅寸前のフクロモモンガダマシのような種を発見できる可能性が低くなることも分かっている。伐採は種を衰退に追い込み、一般的な種は絶滅危惧種となり、絶滅危惧種は絶滅へと近づく。

この記事の主執筆者は、約40年にわたって、ビクトリア州の森林で環境モニタリングや研究を行うチームに参加している。

私たちは被害を傍観するしかなかった。保護価値の高い古代の森が、皆伐されるのを目の当たりにしてきた。大きな老木にはとても重要な巣穴があり、そのような希少な生息環境が、ますます減少していく過程を観察し続けてきた。フクロモモンガのような個性的な動物は、かつて夜間調査で発見される最も一般的な種であったが、現在では絶滅が危惧されるほど希少になった。

かつては無傷だったその景観は、若い森が大部分を占めるようになり、極めて深刻な森林火災の危険にさらされている。そして、私たちは伐採によって景観が分断されるのを呆然と眺めていた。現在ビクトリア州では、絶滅寸前のナナカマドの森の最大70%が山火事や伐採によって深刻な影響を受け、さらには、そのような区域から200m以内にある。

原生林の伐採に意味はない

ビクトリア州で伐採された原生林の大半(86%)が、ウッドチップ、紙パルプ、トラックの荷台板のような低価値製品に加工されている。2018年、私たちは原生林から切り出される丸太のうち、挽板などの建材になるのはわずか14%と試算した。一方でビクトリア州の全挽板の80%以上がプランテーション栽培である。つまり、原生林の木材は、住宅建築に使われていないということだ。

原生林の伐採終了を2030年から前倒ししたことは、気候変動対策の大きな弾みになる。それは毎年73万台の自動車を路上からなくすことに匹敵する。この1つの意思決定がビクトリア州に、ひいてはオーストラリアにとって、排出削減目標を達成するはるかに大きなチャンスをもたらす。

最新の年次報告書によると、VicForestsは5,400万豪ドルの損失と8,000万豪ドルの融資を発表し、現在、同社はビクトリア州財務省の支援を受けている。すでにこうした損失の前から、ビクトリア州議会予算局は、VicForestsがなければ州に1億9,000万豪ドルのゆとりが生まれることを示していた。

人間は森の復活をどのように支援できるか。

伐採をやめれば、森林への負荷はかからなくなる。しかし、大きな被害を受けた区域では、伐採をやめただけではダメだ。多くの区域は、伐採や度重なる火災の後、適切に再生されたことはない。

ビクトリア州北東部では、長年にわたる伐採が森の樹種構成を歪めてしまった。つまり、多くの区域では、コアラやフクロムササビの食糧源にほとんど適さない樹木が、大半を占めている。火災やシカなどの外来種を管理しながら、ビクトリア州全域で森林を回復させることが必要とされている。

それだけではない。木材や紙もまだまだ必要だ。原生林の伐採を止めるには、オーストラリアのプランテーション全体を適切に整備する必要がある。現在、プランテーションで栽培されているユーカリのうち、最大で95%が海外加工用として輸出されている。これは地元の雇用の機会を逃してしまっている。

すでに、プランテーションの業界では、運搬・加工労働者を増員しようと必死で呼びかけている。この業界は、原生林事業の離職者に同等の職を提案している。とはいえ、森林の回復、消防、野生生物の管理、炭素貯蔵の管理など、その他にも仕事がある。これらを包括的に正しく移行することが重要だ。

原生林伐採の撤退と併せて、中央高地一帯をグレートフォレスト国立公園とする宣言が必要である。この一帯は過去数十年間、原生林伐採が最も盛んだった場所だ。同州のリサ・ネヴィル環境大臣(当時)がこの公園を宣言すると約束してから、十年近くが経過している。確定され次第、アボリジニの自決権と彼らが故郷で働く適切な機会を保証するために、新しい公園は先住民の人々との共同管理にすべきである。

今日は記念すべき日だ。ビクトリア州政府がついに将来のために行動したのだ。原生林を保護することは、ウッドチップにするよりも、炭素貯蔵、水源保護、観光の面で、はるかに大きな価値がある。ビクトリア州のこの動きは、貴重な森林伐採に執念を燃やすオーストラリア内、他州への呼びかけとなるだろう。

この記事は、クリエイティブコモンズ・ライセンスの下で、The Conversationから再掲載したものです。元の記事はこちらをご覧ください。

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