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見習い

イヴォン・シュイナード  /  2014年7月1日  /  読み終えるまで3分  /  コミュニティ

巣には3羽の鳥がいるかも知れない。後で縮こまっている1羽、真ん中にいる1羽。そして前で攻撃態勢を取る1羽。捕えたいのはいちばん前にいる1羽だ。Photo: YVON CHOUINARD COLLECTION

見習い

巣には3羽の鳥がいるかも知れない。後で縮こまっている1羽、真ん中にいる1羽。そして前で攻撃態勢を取る1羽。捕えたいのはいちばん前にいる1羽だ。Photo: YVON CHOUINARD COLLECTION

パタゴニアは歴史的、文化的、環境的に重要で、さらにそれらが魅惑的で価値があると思う活動や伝統に敬意を表します。日本未発行カタログ『Birds of Prey(猛禽類)book』では、人間と人間以外の動物とのあいだの関係を観察し、私たちの生活や私たちの世界における猛禽類の重要性や意味を検証します。パタゴニアの創業者であるイヴォン・シュイナードは10代のころタカ狩りに魅了され、実際、彼は巣を調べるために崖を苦労して登ることでクライミングを見いだしました。イヴォンの人格形成期についての考察ではじまる本カタログからのエッセイは、クリーネストラインで順次ご紹介していきます。

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12歳か13歳のとき、僕は『ナショナル・ジオグラフィック』誌でフランクとジョン・クレイグヘッドが書いた猛禽類*についての記事を読んだ。それがきっかけでタカ狩りに興味をもち、同じく興味をもっていた2人の少年と一緒に小さな「南カルフォルニアタカ狩りクラブ」を発足させて、狩りのために野生のタカとハヤブサをトレーニングした。外に出て、両手でロープをたぐって巣まで降り、若い鳥を捕まえては訓練した。僕はクライミングでは誰にも引けを取らなかったし、まだポイズンオークにもアレルギーがなかったので、何度も岩場を登ったり降りたりさせられた。僕らを子供扱いしなかった2人の大人――1人はコーネル大学で鳥類学を学んだトム・ケイドで、もう1人は懸垂下降を教えてくれたクライマーのドン・プレンティス――が僕らを助けてくれた。

それは僕にとって最も重要な人格形成期だった。タカ狩りには完全に献身する必要がある。1日も休めないからだ。旅行もできないし、休暇も取れない。毎日そこに居なければならない。野生のタカを捕らえたら、初日が肝心だ。たとえタカといっしょに一晩中起きていることになっても、拳のうえで寝てもらえるようになれば、鳥との信頼関係が築けるのだ。

しかし鳥と人間のあいだに愛はない。彼らは野生であり、誇り高き動物だ。タカに関心があるのは、狩りをして食べることだけ。そして好ましい行動を褒め、同じ行動を繰りかえさせる「正の強化」にのみ反応する。もし爪で思いっきり引っ掻かれても冷静に対処するしかない。それは真に禅的だ。人間が鳥を訓練していると思うのは間違いで、鳥が人間を訓練しているのだ。

*「Adventure with Birds of Prey(猛禽類との冒険)」『National Geographic』誌、1937年

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